おもろさうし/第十五
首里天ぎやすへあんじおそいがなし うらおそいきたたんよんた むざおもろの御さうし 天啓三年癸亥三月七日 第十五
あかいんこがふねたてばが節
[edit]15-1052(1)
一朝戸掟 親御蒲/貢 積む 首里親国/又天久口 親泊/又那覇泊 親泊
一あさとおきて おやみかま/かまゑ つむ しよりおやくに/又あめくくち おやとまり/又なはとまり おやとまり
きみがなしの節
[edit]15-1053(2)
一天久寄り添いのろの/掛けて 掛け栄い しよわれ/又天久寄り満ちへのろの
一あめくよりおそいのろの/かけて かけふさい しよわれ/又あめくよりみちへのろの
あおりやへが節
[edit]15-1054(3)
一天久仁屋が おもろ/げらへ綾鼓/打ちちへ 鳴り揚がらせ/又天久子ぎや 宣るむ
一あめくにやか おもろ/けらへあやつゝみ/うちちへ なりあからせ/又あめくしきや せるむ
きみがなし節
[edit]15-1055(4)
一天久舞ひやり思い/こねり なよる 愛しけさ/又意地気舞ひやり思い
一あめくまひやりよもい/こねり なよる かなしけさ/又いちへきまひやりよもい
きみがなしが節
[edit]15-1056(5)
一天久舞ひやり思い/おわるてゝ 知らにや/道中 お迎い 為らまへ/又意地気舞ひやり思い
一あめくまひやりよもい/おわるてゝ しらにや/みちなか おむかい せらまへ/又いちへきまひやりよもい
しよりおわるてだこがおもいぐわのあすびが節
[edit]15-1057(6)
一沢岻太良名付けてだよ/磁石の石と 金と 様に/てだ 精 付かば/殿す 世は ちよわれ/又良かる太良名付け
一たくしたらなつけてたよ/つしやこのいしと かねと やに/てた しひ つかは/とのす 世は ちよわれ/又世かるたらなつけ
しよりおわるてだこがおもいぐわのあすびが節
[edit]15-1058(7)
一沢岻太良名付け/拝むすが 言やば/きちやらつは/京 鎌倉 鳴響ませ/又良かる太良名付け
一たくしたらなつけ/おかむすか いやは/きちやらつは/きやう かまくら とよませ/又よかるたらなつけ
しよりおわるてだこがおもいぐわのあすびが節
[edit]15-1059(8)
一沢岻太良名付け/国 郡 浦の数/鳴響まちへ 使い/又良かる太良名付け
一たくしたらなつけ/国 こおり うらのかす/とよまちへ つかい/又よかるたらなつけ
しよりま人の節
[edit]15-1060(9)
一つるこにくけ按司はゑ/清らや 誇ら/又良かるにくけ/又中西の選び真人/又朝凪れに 夕凪れに/又鈴富は 早富は/又伊那武 渡て/ちいたか 渡て
一つるこにくけあちはゑ/きよらや ほこら/又よかるにくけ/又中にしのゑらひま人/又あさとれに 世とれに/又すつとみは はやとみは/又ゑなん わたて/ちいたか わたて
つるこにくけしぎや節
[edit]15-1061(10)
一親屋富祖の大親/大屋子が 貢/上て 行けば/てだが 誇りよわちへ/又又吉の大親/大屋子が 捧げ/又今日の良かる日に/大屋子が 捧げ/又今日のきやかる日に
一おゑやふその大や/大やこか かない/のほて いけは/てたか ほこりよわちへ/又またよしの大や/大やこか さゝけ/又けおの世かるひに/大やこか さゝけ/又けおのきやかるひに
つるこにくけしやたまつむきやんうちみちやりが節
[edit]15-1062(11)
一城間の大親/又吉の大親/京の内 歓やかせ/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に
一くすくまの大や/またよしの大や/きやうのうち あまやかせ/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに
うらおそいのおやのろが節
[edit]15-1063(12)
一城間の真庭に/首里赤頭部 持ち成ちへ/金の真玉の御柄杓/又又吉の真庭に
一くすくまのまみやに/しよりあくかへ もちなちへ/こかねのまたまのみしやく/又またよしのまみやに
うらおそいのおやのろが節
[edit]15-1064(13)
一城間の真山戸/実に 見物 おわちゑる/依り笠が 京の踊り 見物/又又吉の腰当て子
一くすくまのまやまとう/けに み物 おわちゑる/よりかさか けおのより みもん/又またよしのこしやてこ
うらおそいおもろの節
[edit]15-1065(14)
一城間の蒲葵杜/蒲葵杜む よむいきやす/腰当て杜が/よしみよわば 淀しよわ/又又吉の蒲葵杜も
一くすくまのこはもり/こはもりむ よむいきやす/こしやてもいか/よしみよわは ゆとしよわ/又またよしのこはもりも
きみがなしが節
[edit]15-1066(15)
一伊祖伊祖の石ぐすく/あまみきよが たくだる ぐすく/又伊祖伊祖の金ぐすく
一ゑそゑそのいしくすく/あまみきよか たくたる くすく/又ゑそゑそのかなくすく
きみがなしが節
[edit]15-1067(16)
一伊祖伊祖の石ぐすく/いよやに 添て ちよわれ/又伊祖伊祖の金ぐすく
一ゑそゑそのいしくすく/いよやに おそて ちよわれ/又ゑそゑそのかなくすく
ねいしまいしが節
[edit]15-1068(17)
一伊祖の石ぐすく/上て 見ちやる 勝り/又伊祖の金ぐすく
一ゑそのいしくすく/のほて みちやる まさり/又ゑそのかなくすく
きみがなしが節
[edit]15-1069(18)
一伊祖の戦思い/月の数 遊び立ち/十百度 若てだ 栄せ/又意地気戦思い/又夏は しけち 盛る/又冬は 御酒 盛る
一ゑそのいくさもい/月のかす あすひたち/ともゝと わかてた はやせ/又いちへきいくさもい/又なつは しけち もる/又ふよは 御さけ もる
あおりやへが節
[edit]15-1070(19)
一浦添に ちよわる/聞ゑおわもりや/按司 下司 孵し遣り ちよわれ/又世の頂に ちよわる
一うらおそいに ちよわる/きこゑおわもりや/あち けす すたしやり ちよわれ/又よのつちに ちよわる
あおりやへが節
[edit]15-1071(20)
一聞ゑ浦添や/按司の孵で親国/十百末 十百歳す ちよわれ/又鳴響む浦添や/主の孵で親国
一きこゑうらおそいや/あちのすておや国/ともゝすゑ とひやくさす ちよわれ/又とよむうらおそいや/しよのすておやくに
あおりやへが節
[edit]15-1072(21)
一聞ゑ浦添や/島の親やれば/百〔ぢ〕やらの 貢 積で みおやせ/又鳴響む浦添や
一きこゑうらおそいや/しまのおややれは/もゝ〔ち〕やらの かまへ つて みおやせ/又とよむうらおそいや
あおりやへが節
[edit]15-1073(22)
一浦添に ちよわちへ/玉御柄杓 差しゆわれば/百ぢやらは 見ちへど 羨み居る/又世の頂に ちよわちへ
一うらおそいに ちよわちへ/たまみしやく さしゆわれは/もゝちやらは みちへと うらやみよる/又世のつちに ちよわちへ
あおりやへが節
[edit]15-1074(23)
一聞ゑ浦添に/島の踊り なよれば/ちかわすは 踊り出で遣り 直せ/又鳴響む浦添に/国の踊り なよれば
一きこゑうらおそいに/しまのより なよれは/ちかわすは よりいてやり なおせ/又とよむうらおそいに/くにのより なよれは
あおりやへが節
[edit]15-1075(24)
一聞ゑ浦添に/てだ清ら 使い/又鳴響む浦添に
一きこゑうらおそいに/てたきよら つかい/又とよむうらおそいに
あおりやへが節
[edit]15-1076(25)
一聞ゑ按司添いや/浦添に ちよわれば/てだが 誇りよわちへ/又鳴響む按司添いや/世の頂に ちよわれば
一きこゑあちおそいや/うらおそいに ちよわれは/てたか ほこりよわちへ/又とよむあちおそいや/世のつちに ちよわれは
あおりやへが節
[edit]15-1077(26)
一聞ゑ浦添に/西東の貢 持ち寄せて/又鳴響む浦添に
一きこゑうらおそいに/にしひがのかまへ もちよせて/又とよむうらおそいに
おぎやかへともいが節
[edit]15-1078(27)
一君志按司添いや/鷲ど 栄よわる/上下 世 添わて ちよわれ/又馬御駄も 鷲毛/鷲ど 栄よわる/又乗り御駄む 鷲毛/鷲ど 栄よわる
一きみしあちおそいや/わしと ふさよわる/かみ下 世 そわて ちよわれ/又うまみちやも わしけ/わしと ふさよわる/又のりみちやむ わしけ/わしと ふさよわる
あおりやへが節
[edit]15-1079(28)
一浦添の根国/百度 積も 金/浦添ど 有り居る/又渡嘉敷の真国
一うらおそいのね国/もゝと つも こかね/うらおそいと ありよる/又と〔か〕しきのまくに
あおりやへが節
[edit]15-1080(29)
一浦添の根国/泉 清水 げらへて/孵て水よ/おぎやか思いに みおやせ/又渡嘉敷の真国
一うらおそいのねくに/いちへみ さうす けらへて/すてみつよ/おきやかもいに みおやせ/又と〔か〕しきのまくに
あおりやへが節
[edit]15-1081(30)
一聞ゑ浦添に/按司 選です 待ち居たれ/十百末 思ひ子す ちよわれ/又鳴響む浦添に
一きこゑうらおそいに/あち ゑらてす まちよたれ/ともゝすゑ おもひくわす ちよわれ/又とよむうらおそいに
あかのおゑつきねはのおゑつき月てだのやにてでかゞちよわれが節
[edit]15-1082(31)
一聞ゑ浦添に/げらゑ鳴響み良し/真玉真物/成さい人思いと 撓て/又鳴響む浦添に/又大和杉の/板金の縄 掛けて
一きこゑうらおそいに/けらゑとよみよし/またままもん/なさいきよもいと しなて/又とよむうらおそいに/又やまとすきの/いたかねのなわ かけて
へどのしやればたところやればが節
[edit]15-1083(32)
一浦添の門口/しと木やよ 漕がせ/又渡嘉敷の門口/まきしやよ 漕がせ
一うらおそいのちやうくち/しときやよ こかせ/又とかしきのちやうくち/まきしやよ こかせ
ぐすくまのまみやにしよりあくかべもちなちへが節
[edit]15-1084(33)
一浦添の親のろ/西杜に 降れわちへ/あまみや世の/世添うせぢ みおやせ/又まちらすの親のろ/蒲葵杜に 降れわちへ
一うらおそいのおやのろ/にしもりに おれわちへ/あまみやよの/世そうせち みおやせ/又まちらすのおやのろ/こはもりに おれわちへ
しませんこあけしのゝのろの節
[edit]15-1085(34)
一雪げらへ 雪の 珍らしや/世果報 真果報 みお〔や〕せ/又黍げらへ 黍の 珍らしや/又積み上がりぎや 添い頂ぎや 下に
一よきけらへ よきの めつらしや/世かほう まかほう みお〔や〕せ/又きみけらへ きみの めつらしや/又つみあかりきや そいつききや 下に
しませんこあけしのゝのろの節
[edit]15-1086(35)
一雪げらへ 京の内の綾踊り/いぐまちへ もちろちへ 遊びよわ/又黍げらへ もちろ内の奇せ踊り
一よきけらへ けおのうちのあやより/いくまちへ もちろちへ あすひよわ/又きみけらへ もちろうちのくせより
中ぐすくよしのうらの節
[edit]15-1087(36)
一浦添や 浦添や/神酒ど 有るな 酒ど 有るな/たしや たしや 今日や 今日や/世寄せによがかちへ 使い/又渡嘉敷や 渡嘉敷や/酒ど 有るな 神酒ど 有るな
一うらおそいや うらおそいや/みきいと あるな さけと あるな/たしや たしや きよや きよや/よゝせによかかちへ つかい/又とかしきや とかしきや/さけと あるな みきと あるな
うらおそいのおやのろが節
[edit]15-1088(37)
一かにむかに/三郎子が 御差ししよ/神てだのせぢ/持ち遣り ちよわれ/又かにむかに/真ころ子が 御差ししよ/又浦添む ちよわちやれ/世の頂む ちよわちやれ
一かにむかに/さふろこか うさししよ/かみてたのせち/もちやり ちよわれ/又かにむかに/まころこか うさししよ/又うらおそいむ ちよわちやれ/よのつちむ ちよわちやれ
あおりやへが節
[edit]15-1089(38)
一聞ゑおわもりや/按司の頂按司添い/筑紫ちやら/玉の君使い/又鳴響むおわもりや
一きこゑおわもりや/あちのつちあちおそい/つくしちやら/たまのきみつかい/又とよむおわもりや
あおりやへが節
[edit]15-1090(39)
一浦添の思い子/百度 ちよわれ/思ひ子 後勝り/百按司 衆生 しよわれ/又世の頂の思ひ子/又ちやうはちは 生しよわちへ
一うらおそいのおもいくわ/もゝと ちよわれ/おもひくわ のちまさり/もゝあち しちや しよわれ/又世のつちのおもひくわ/又ちやうはちは なしよわちへ
あおりやへが節
[edit]15-1091(40)
一聞ゑ棚原に/ゑいにせや 十百度/按司添い 栄せ/又鳴響む棚原に
一きこゑたなはるに/ゑいにせや ともゝと/あんしおそい はやせ/又とよむたなはるに
あおりやへが節
[edit]15-1092(41)
一聞ゑ棚原に/夏 冬む 判らず/歓へて しけちぢよ 盛り居る/又鳴響む棚原に/冬 夏も 判らず
一きこゑたなはるに/なつ ふよむ わからす/あまへて しけちちよ もりよる/又とよむたなはるに/ふよ なつも わからす
あおりやへが節
[edit]15-1093(42)
一棚原のてだの/思ひ子は 生しよわちへ/島よ 預けわちへ/又下の世の主の/思ひ子は 生しよわちへ
一たなはるのてたの/おもひくわは なしよわちへ/しまよ あつけわちへ/又しむの世のぬしの/おもひくわは なしよわちへ
さはちこがおもろの節
[edit]15-1094(43)
一嘉数杜ぐすく/根立て杜ぐすく/なよくら 手摩て 歓やかせ/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に/又新神は 手摩て/おりなくは 手摩て
一かゝすもりくすく/ねたてもりくすく/なよくら てつて あまやかせ/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに/又あらかみは てつて/おりなくは てつて
やまきたらすざべが節
[edit]15-1095(44)
一嘉数鈴鳴りや/天底の金庭に/降れ欲しや/又見物鈴鳴りや
一かゝすすつなりや/あめそこのこかねみやに/おれほしや/又み物すつなりや
うちいではさはちこが節
[edit]15-1096(45)
一嘉数鈴鳴りや/降れ欲しやの天底/降れて 降れ直さ/又見物鈴鳴りや
一かゝすすつなりや/おれほしやのあめそこ/おれて おれなおさ/又み物すつなりや
しよりもりちよわるみかなしのてだが節
[edit]15-1097(46)
一若い人が/照り揚が望月に/十百度の/刀うちの 鳴響み/又若い人が/嘉数 桃原に/十百度の
一わかいきよか/てりやかもちつきに/ともゝとの/かたなうちの とよみ/又わかいきよか/かかす たうはるに/ともゝとの
大にしのたらつが節
[edit]15-1098(47)
一意地気謝名の掟よ/大国謝名の掟よ/大国 選ぶ 謝名の掟/又如何る親の 生ちへがよ/如何るあさが 生ちへがよ/又時 取り遣り 生ちへるよ/吉日 取り遣り 生ちへるよ
一いちへきちやなのおきてよ/ちや国ちやなのおきてよ/ちやくに ゑらふ ちやなのおきて/又いきやるおやの なちへかよ/いきやるあさか なちへかよ/又とき とりやり なちへるよ/ゑか とりやり なちへるよ
うちいでしよりふくしきようが節
[edit]15-1099(48)
一謝名の子は 根 し遣り/堂の子 銀 金/持ち満ちゑる/又おな殿は 根 し遣り
一ちやなのしは ねい しやり/たうのし なむちや こかね/もちみちゑる/又おなとのは ねい しやり
大にしのたらつが節
[edit]15-1100(49)
一謝名の比屋理思い/意地気比屋理思い/掻撫で按司に 思われて/又謝名の良かり島/海 近さ あもん/又とぎやわ 魚 突く/いぎよも 蛸 突く/又海む 親物/たきやむ 親物
一ちやなのひやりよもい/いちへきひやりよもい/かなてあんしに おもわれて/又ちやなのよかりしま/うみ ちかさ あもん/又ときやわ いよ つく/いきよも たこ つく/又うみむ おやもん/たきやむ おやもん
大にしのたらつが節
[edit]15-1101(50)
一謝名のよゝ清ら/攻め討ち 金丸/心切らしや かに ある/又きとむなわの泊/面影の泊/又中ぐすく 見れば/白御嶽 見れば/又白布も 延ゑて/真布も 延へて
一ちやなの世ゝきよら/せめうち かねまる/うらきらしや かに ある/又きとむなわのともり/おもかけのともり/又中くすく みれは/しらみちよ みれは/又しらぬのも はゑて/まぬのも はへて
うらおそいおもろの節
[edit]15-1102(51)
一宜野湾ののろの/伊差杜に 降れわちへ/島 かねて/按司添いに みおやせ/又根の島ののろの
一きのわんののろの/ゑさもりに おれわちへ/しま かねて/あんしおそいに みおやせ/又ねのしまののろの
うらおそいおもろの節
[edit]15-1103(52)
一宜野湾のてだの/よほし嶺 ちよわちへ/大田かち 見居れば/白種の/寄り靡く 清らや/又根の島のてだの
一きのわんのてたの/よほしみね ちよわちへ/大たかち みよれは/しろちやねの/よりなひく きよらや/又ねのしまのてたの
点数(てんかず) 五十二
たいらのとのの節
[edit]15-1104(53)
一聞ゑ君鳴響み/精高君鳴響み/打ちちへ 見物君/又北谷の庭に/吾が成さの庭に/又玉寄せが前に/寄り立ちが前に/又百口の鼓/八十口の鳴り呼ぶ
一きこゑきみとよみ/せたかきみとよみ/うちちへ みもんきみ/又きたたんのみやに/あかなさのみやに/又たまよせかまへに/よりたちかまへに/又もゝくちのつゝみ/やそくちのなりよふ
ちやうやおゑまのしが節
[edit]15-1105(54)
一北谷に おわる/浦の世の主の/兄者よ 珍らがて/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に/又大神酒は 造て/酒倉は 立てゝ/又勝連に おわる/思ひ兄者 使ひ/又何が 引出物/何が 手苞物/又糸縅の鎧/真糸縅の鎧/又おれど 引出物/おれど 手苞物
一きたたんに おわる/うらの世のぬしの/せさよ めつらかて/又けおの世かるひに/けおのきやかるひに/又大みきは つくて/さかくらは たてゝ/又かつれんに おわる/おもひせさ つかひ/又なおか ひきいちへ物/なおか てつともの/又いとおとしのよろい/まいとおとしのよろい/又おれと ひきいちへ物/おれと てつと物
きこへきみがなしかみ下の天とよみが節
[edit]15-1106(55)
一太郎子西殿よ/良かる西殿よ/お祝付きしよ 世は ちよわれ/又西の世の主の/勝り人は 生しよわちへ/お祝付きしよ/又北谷のてだの/思ひ子は 生しよわちへ/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に
一たらこにしとのよ/世かるにしとのよ/おやつきしよ よは ちよわれ/又にしの世のぬしの/まさりきよは なしよわちへ/おやつきしよ/又きたたんのてたの/おもひくわは なしよわちへ/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに
いちやはながおもろの節
[edit]15-1107(56)
一吾のつのけたち/吾のおやけたち/雲が一頂に/鳴響みゆわる高さ/又北谷のてだの/ちやら思いは 生しよわちへ/又ちやら思いが 実にしよ/君志てだ 見ちやる/又思ひ子の 実にしよ
一あんのつのけたち/あんのおやけたち/くもかいきつきに/とよみゆわるたかさ/又きたたんのてたの/ちやらもいは なしよわちへ/又ちやらもいか けにしよ/きみしてた みちやる/又おもひくわの けにしよ
やぎからのぼるしちやたりやよろいが節
[edit]15-1108(57)
一北谷の世の主/吾が拍子 打たば/世 添わて ちよわれ/又そゝへの使い/吾が拍子 打たば
一きたたんの世のぬし/あかひやし うたは/世 そわて ちよわれ/又そゝへのつかい/あかひやし うたは
きたたんの世のぬしあがひやしうたばが節
[edit]15-1109(58)
一北谷の世の主/おさは剣 差しよわちへ/差し遣り 栄いよわちへ/又そゝへの使い/おさは
一きたたんの世のぬし/おさはつるき さしよわちへ/さしやり ふさいよわちへ/又そゝへのつかい/おさは
ぐしかわのぢやうぐちの節
[edit]15-1110(59)
一屋良のへた殿が/御み手摩り/よりこ 歓へ/又さすのへた殿が
一やらのへたとのか/おみてつり/よりこ あまへ/又さすのへたとのか
しよりちよわちへからが節
[edit]15-1111(60)
一屋良勝り人が/首里親国 居てから/あるなと ある/又さす勝り人が/若親国 居てから
一やらまさりきよか/しよりおやくに おてから/あるなと ある/又さすまさりきよか/わかおやくに おてから
しよりま人の節
[edit]15-1112(61)
一城間の飽かず庭に/げらへ四隅家あしやげ げらへ/又屋良座嶽の/日傘松よ
一くすくまのあかすみやに/けらへよしみやあしやけ けらへ/又やらさたけの/ひかさまつよ
大ざとのげすのおもいあぢの節
[edit]15-1113(62)
一朝戸掟 親御蒲/戦せぢ高は/島内鳴響む按司添い/又今日の良かる日に/又屋良の門口に/又大け 桃原に
一あさとおきて おやみかま/いくさせちたかは/しまうちとよむあちおそい/又けおのよかるひに/又やらのちやうくちに/又大け たうはるに
さはちきよが節
[edit]15-1114(63)
一飽かず珍らしや/飽かず君清ら/歓へ なよら/又さすのろわきくろ/差笠に 知られゝ/又もちろきやは さだけて/ひしよろきやは しだけて
一あかすめつらしや/あかすきみきよら/あまへ なよら/又さすのろわきくろ/さすかさに しられゝ/又もちろきやは さたけて/ひしよろきやは したけて
いちのなよりきよがさはねよらふさが節
[edit]15-1115(64)
一屋良のいふ崎に/屋良の浜崎に/良島 おやせ/国 おやせ 貴み/又上の押笠と/下の遣り笠と/又御裳 うち交わちへ/御袖 遣り交わちへ/又今わ 縄 一つ/今わ 糸 一つ
一やらのいふさきに/やらのはまさきに/ゑしま おやせ/国 おやせ たゝみ/又かみのおしかさと/しむのやりかさと/又みもゝ うちかわちへ/みそて やりかわちへ/又いみやわ なわ ふてつ/いみやわ いと ふてつ
点数 十二
あおりやへが節
[edit]15-1116(65)
一読谷山 おわる/思い真泰期思い/げらへ世誇り ちよわちへ/崎枝に おわる
一よんたむさ おわる/おもいまたちよもい/けらへ世ほこり ちよわちへ/さきよたに おわる
ふるけものろの節
[edit]15-1117(66)
一宇座の泰期思いや/唐商い 流行らちへ/按司に 思われゝ/又意地気泰期思いや
一おさのたちよもいや/たうあきない はゑらちへ/あんしに おもわれゝ/又いちへきたちよもいや
ふるけものろの節
[edit]15-1118(67)
一宇座の泰期思いや/波 出ぢへ/殿 見ちへ 来よもん/又意地気泰期思いや
一おさのたちよもいや/なみ いちへ/との みちへ きよもん/又いちへきたちよもいや
ふるけものろの節
[edit]15-1119(68)
一宇座の泰期思いや/意地気泰期思いや/鏡色の孵で水よ みおやせ/又宇座 渡慶次 馬駄/しけち かめ はわて/又宇座 渡慶次 あす達/御酒 持ち はわて
一おさのたちよもいや/いちへきたちよもいや/かかみいろのすてみつよ みおやせ/又おさ とけす うまた/しけち かめ はわて/又おさ とけす あすた/御さけ もち はわて
ぢやなのよゝきよらが節
[edit]15-1120(69)
一大にしの太郎つ/太郎つ満月や/御肝 栄やかせ/又崎枝の太郎つ
一大にしのたらつ/たらつみちへつきや/おきむ さかやかせ/又さきよたのたらつ
ひるのやしゑのしが節
[edit]15-1121(70)
一大にしの太郎つ/太郎つ満月や/肝 広く 持ち遣り/下司に 按司よ 思わせ/又崎枝の太郎つ/太郎つ満月や
一大にしのたらつ/たらつみちへつきや/きむ ひろく もちやり/けすに あちよ おもわせ/又さきよたのたらつ/たらつみちへつきや
ひるのやしゑのしが節
[edit]15-1122(71)
一大にしに 鳴響む/聞ゑなよくら/吾が守る按司添い/又崎枝に 鳴響む/又しらし 居てやちよも/御嶽 居てやちよも/又板門 軋めかば/誰がてゝ 思うな/聞ゑなよくら/又金門 軋めかば/又甍 ほろめかば/又屋面 ほろめかば
一大にしに とよむ/きこゑなよくら/あかまふるあちおそい/又さきよたに とよむ/又しらし おてやちよも/みちよ おてやちよも/又いちやちや きしめかは/たるかてゝ おむうな/きこゑなよくら/又かなちや きしめかは/又いりきや ほろめかは/又やつら ほろめかは
へどのおやのろが節
[edit]15-1123(72)
一瀬名波とむかちがよ/瀬名波ゑけりしやがよ/又瀬名波川坂に/瀬名波石坂に
一せなはとむかちかよ/せなはゑけりしやかよ/又せなはかわひらに/せはないしよひらに
大にしのたらつが節
[edit]15-1124(73)
一辺留のやせの子/命ふつくろに/親拍子 歓へて 使い/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に
一ひるのやせのし/ゑのちふつくろに/おやひやし あまへて つかい/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに
大にしのたらつが節
[edit]15-1125(74)
一辺留のやせの子/命ふつくろに/見ちへ居て 息 為らに/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に
一ひるのやせのし/ゑのちふつくろに/みちへおて いき せらに/又けおの世かるひに/けおのきやかるひに
ちやうおやおゑまのしが節
[edit]15-1126(75)
一喜納大庭に/喜納広庭に/てだ清ら 使い/又今日の良かる日に/又今日のきやかる日に
一きなわ大みやに/きなわひろみやに/てたきよら つかい/又けおの世かるひに/又けおのきやかるひに
点数十一